8■メカニカルシール通則 (JIS B 2405)メカニカルシールの基本構造は、密封端面の摩耗にしたがい軸方向に動くことのできる従動リングと動かないシートリングからなり、緩衝機構を有し、軸にほぼ垂直な相対的に回転する密封端面において流体を密封する働きをするものとする。●メカニカルシールの長所一般に洩れを嫌う所で使われ、高温・高圧下でもすぐれた性能を発揮するのが、メカニカルシール方式です。1. 洩れがほとんどない。2. 端面接触のため、摺動面積がせまく摩擦係数も小さいので消費動力が小さい。3. 駆動軸の損傷がない。4. 高PV値の条件に使用できる。(アンバランス形:0.78MPaG・バランス形: 2.45MPaG前後)5. 普通、1〜2年の連続運転にも耐える長寿命です。6. 冷却装置を採用すれば、高温液体(+300℃ぐらいまで)に使用可能です。また、低温液体(−50℃)にも耐えます。7. 増締め調整不要などなど。■メカニカルシール着脱手順メカニカルシール着脱が、こんなにも容易に、しかも能率的にできるミキサー、Eシリーズ。簡単な分解手順を説明しましょう。はじめにドライブユニット①とドライブシャフト⑫を接続しているチェーンカップリング②のケースとローラーチェーンを取り外します。この時の両ユニット間のクリアランスが重要となっています。ドライブシャフト⑧と⑫を接続しているフランジカップリング⑥のボルトを外していきます。(このとき、ドライブシャフト⑧は、ミキシングシャフトやインペラの自重で、少しづつ下がってきますが、フランジ部の支持プレート⑬によって、支えられます。)次にベアリングユニット③の固定ボルトを外し、標準装備の治具プレート(A)⑭によって、ベアリングユニット③を吊り上げていきます。そして反対側に回転させ、そのまま組立るときまで支持状態を保っておきます。フランジカップリング⑥の固定ボルトを外し、標準装備の手巻きウインチ⑨によってフランジカップリング⑥を吊り上げ、付属の治具プレート(B)に乗せます。治具プレート(B)をフレーム手前に回転させ、フランジカップリング⑥を取り出します。つづいて、メカニカルシールユニット⑦を固定している、二ッ割り固定プレートを外し押しボルトによって、はめ合い部分を移動後ワイヤーを掛けます。次にメカニカルシールユニット⑦を手巻きウインチ⑨によって吊り上げます。フランジカップリング⑥を取り除いた後の、治具プレート(B)にメカニカルシールユニット⑦を乗せ、ワイヤーを外し治具プレート(B)を回転させてフレーム外に取り出します。メカニカルシールはデリケートです。埃のない場所で分解、組立、さらに充分な耐圧テストを行ってください。ここで予備のメカニカルシールユニットを用意しておくことを、おすすめします。すぐに組立ることができ生産停止時間を最短にとどめます。※組立は、分解とは逆の手順となりますが、各ユニットの取り合いは、すべてインロー構造になっていますので面倒な芯出し作業等の必要がありません。まさに、知恵と気配りの生きた設計です。●メカニカルシール構造図①③④⑤⑥⑦②①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑮①ドライブユニット ②チェーンカップリング ③ベアリングユニット ④治具プレート(A)用受台 ⑤シールポット ⑥フランジカップリング(キー付、着脱式) ⑦メカニカルシールユニット (スリーブ方式、ベアリング内蔵) ⑧ドライブシャフト(B) ⑨手巻きウインチ ⑩E形フレーム(A) ⑪E形フレーム(B) ⑫ドライブシャフト(A) ⑬支持プレート ⑭治具プレート(A) ⑮治具プレート(B)取付用ピン治具 →プレート(B)
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